喜田川 昌之 わらべ絵館

音楽を流しますか?

幼い日 目にした光景
季節の風が運んできたぬくもり
遠い日の思い出の
ひとコマひとコマがよみがえる
わらべごころを描いた作品が並ぶ
ミュージアム

喜田川ワールドへのいざない 

約500点の作品の中から四季折々展示変えしてます。

畳と珪藻土の壁に包まれた温もりある空間で昭和の子どもたちの日々を描いた作品にふれ、思い出に浸ってください。
炉端にご用意している
お茶でひと時をお過ごしください。

作家プロフィール
喜田川 昌之

TBS系テレビ『まんが日本昔ばなし』の美術担当の一人として映像制作に携わりました。 2003年、当時喜田川が65歳の頃、伊豆高原に移住、翌年の 2004年に自身の作品を展示する、喜田川 昌之 わらべ絵館を 開館いたしました。開館以来、変わらずわらべ絵を描き続ける 現存している最後のわらべ絵作家です。
(ベルマーク運動のソフト援助で全国のへき地小学校44校にて出前体験塾を開講。絵画指導をしていた時の写真)

ご利用のご案内

開館時間 AM 10:00~PM 4:00 (入館)
開館日 金・土・日・月曜日(祝日、正月は開館)
冬季休館日 12月1日〜12月31日
料金・地図のご案内はこちら

ギャラリー・SHOP

海の絵 画集

春夏秋冬だより

12.おさかなたべた

 ひとつ一つ大人にたずねながら絵を描く子がいる。「どこから描いたらいいの?」本人は失敗しないようにという気持ちが強く、言われた通りに行動する習慣がついてしまっている。絵を描くことは、自己を表現する手段の一つであるはずなのに、まちがった助言を与えることで子どもは絵を描くことに自信を失くし、絵を描くことが苦痛になり、きらいになってしまう。

 「赤ちゃんは、先ず舌や唇をつかって物を認識しはじめる」という。畳をなめながら舌をはわせているうちに畳の目と目の間隔で距離感というものをつかんでいく、という説がある。

 幼児の頃に手あたり次第モノにさわったり、唇や舌でなめたりする行動は、大人に至る過程で誰もが経験している。絵を描く前に「さわる」ことで「見る」だけでは得られない発見や感動を得ているのではないか。「トビウオ」を前に見るだけでなく、皮膚感覚や臭覚も動員して「トビウオ」を表現しているのである。

 この体験は後にベルマーク財団主催の教育ソフト援助で全国を巡る「お絵かき塾」を担当した時、カリキュラムの中にとり入れた「さぐり絵」につながっている。

 さて、描き終えたあと、ボクはボンベつきのガスコンロを机の上に置いた。そしてトビウオを洗って塩をすり込み、金網の上にのせ窓を開け、立ちのぼる煙を外へ逃し、みんなで焼き上がる様子を見つめる。一匹のトビウオをみんなでひと口ずつつまむ。「しょうゆがほしい」という子。「あたしサカナ好きじゃない」といっていたカホコでさえも口にしている。

 何年かたってトビウオのことを思い出し墨彩画を描き詩をそえた。

 

おさかなとんだ/ぼくらもとんだ/おさかなやいた/ぼくらがたべた

 

 いま、ミュージアムの常設コーナーにトビウオと共に子どもらがとんでいる作品を掲げている。

喜田川 昌之

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