喜田川 昌之 わらべ絵館

音楽を流しますか?

幼い日 目にした光景
季節の風が運んできたぬくもり
遠い日の思い出の
ひとコマひとコマがよみがえる
わらべごころを描いた作品が並ぶ
ミュージアム

喜田川ワールドへのいざない 

約500点の作品の中から四季折々展示変えしてます。

畳と珪藻土の壁に包まれた温もりある空間で昭和の子どもたちの日々を描いた作品にふれ、思い出に浸ってください。
炉端にご用意している
お茶でひと時をお過ごしください。

作家プロフィール
喜田川 昌之

TBS系テレビ『まんが日本昔ばなし』の美術担当の一人として映像制作に携わりました。 2003年、当時喜田川が65歳の頃、伊豆高原に移住、翌年の 2004年に自身の作品を展示する、喜田川 昌之 わらべ絵館を 開館いたしました。開館以来、変わらずわらべ絵を描き続ける 現存している最後のわらべ絵作家です。
(ベルマーク運動のソフト援助で全国のへき地小学校44校にて出前体験塾を開講。絵画指導をしていた時の写真)

ご利用のご案内

開館時間 AM 10:00~PM 4:00 (入館)
開館日 金・土・日・月曜日(祝日、正月は開館)
冬季休館日 12月1日〜12月31日
料金・地図のご案内はこちら

ギャラリー・SHOP

海の絵 画集

春夏秋冬だより

17.クリスマス 

「サンタクロースはぜったいにいるんだもん」大きな声を張りあげている。幼稚園児のミホコは、そうさけんで今にも泣き出しそうに口をへの字にまげている。

「サンタクロースなんてほんとうはいないんだよ」という同じ歳の男の子ヨシト。ほかの子たちも「そうだよ そうだよ」といってはやしたてる。

「ゼッタイにいるもん」ミホコはそういって涙をこらえながら絵を描いている。ひげのサンタクロースやモミの木のかざり、大きなクリスマスケーキを描きすすめているうちに、いつものミホコにもどっていた。

 みんなが帰ったあと一人になったミホコにきいてみた。「サンタさんにナニをもらった?」「ままごとセットもらったよ」うちはお店だから「はやくきたの」お店の休みの日にあわせてサンタさんが来るらしい。

「うちは煙突ないからトイレの窓をあけておいたの」

「ほんとうはいないんだよ」とはやしたてたみんなにもその話をきかせたかったにちがいない。

 ミホコはみんなより一枚余ぶんに描いたクリスマスの絵をかかえて階段を一つひとつふみしめながらおりていった。

 トイレの窓をあけてサンタさんをまつミホコをお父さんお母さんたちは目をほそめてうなづきあって見ている絵がうかんでくる。そういえば「パパとママきのうも新宿で飲んできたんだよ」そんな報告をするミホコの家はおじいさんとおばあさんもいっしょにいるそうな。彼女はほのぼのとした家庭ですくすくと素直に育っている様子がうかがえる。

 まち角にジングルベルのメロディーが流れはじめた。人はなんとなく軽やかな足どりで歩いているようにみえる。大売出しや福引のチラシがとび交う。歳末の風景が巡ってきた。

喜田川 昌之

一覧をみる