喜田川 昌之 わらべ絵館

音楽を流しますか?

幼い日 目にした光景
季節の風が運んできたぬくもり
遠い日の思い出の
ひとコマひとコマがよみがえる
わらべごころを描いた作品が並ぶ
ミュージアム

喜田川ワールドへのいざない 

畳と珪藻土の壁に包まれた温もりある空間で昭和の子どもたちの日々を描いた作品にふれ、思い出に浸ってください。
炉端にご用意している
お茶でひと時をお過ごしください。

作家プロフィール
喜田川 昌之

2003年、当時喜田川が65歳の頃、伊豆高原に移住、翌年の 2004年に自身の作品を展示する、喜田川 昌之 わらべ絵館を 開館いたしました。開館以来、変わらずわらべ絵を描き続ける 現存している最後のわらべ絵作家です。
(ベルマーク運動のソフト援助で全国のへき地小学校44校にて出前体験塾を開講。絵画指導をしていた時の写真)

ご利用のご案内

開館時間 AM 10:00~PM 4:00 (入館)
開館日 金・土・日・月曜日(祝日、正月は開館)
冬季休館日 12月1日〜12月31日
料金・地図のご案内はこちら

ギャラリー

  • 作品1
  • 作品2
  • 作品3
  • 作品4
  • 作品5
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お知らせ

2.お絵かきの部屋

階段の下で遊ぶ子どもたちにせがまれチョークで絵を描かいて見せてから数日がたった。この日、いきなりトントンと入り口のドアをたたく音がした。『新聞の勧誘かナ?』と思いながらドアを開けると、急な階段の、手すりにつかまって見上げている四人の子どもの姿があった。

 「入っていい?」先頭の男の子が言った。下で遊んでいた連中がボクの部屋を探検に来たのだった。仕事場にしている部屋は四畳半。スケッチブックや画用紙の山を見つけて「お絵かき」がしたいという。「お母さんたちが心配するから、そのことを伝えておいで」と言うと、みんな大きくうなずいて階段を降りて行った。クレパスをかかえて、数分後に戻ってきたところを見ると、すぐ近くの子どもたちのようだった。おもいおもいに絵を描きはじめる。自画像やテレビに登場するキャラクターの絵を描く子。まるでわが家で描いているようなスタイルで畳に腹ばいになって描く子もいる。先日通りがかりに見て「うまいナ」といったボクの言葉を思い出しているのだろう。描き上げた絵をほこらしげに見せてくれる。ボクはいつの間にか子どもたちの仲間の一員にひきずり込まれてしまっていた。

 描き上げた作品を家の人に見せたくてウズウズしているようだ。はじけるように仕事場を飛び出した四人が階段を降りきったところで、はずみをつけてわが家へとかけ出す気配がドアのむこうから伝わってきた。

 夏休みも終わろうとしているあの日の出来事は、「変な大人の部屋をのぞいてやろう」というちょっとした子どもたちの冒険だったのだろうが、ボクにとつては、この部屋での四人の子らとの出会いが、やがて二十数年間にわたる子どもたちとの交流に発展していこうとはこの時、知るよしもなかった。

                                         喜田川 昌之

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