
授業をたのしんではいけないはずがない。子どもが目を輝かせる授業を試みることにしたい。
思い返すと、ボクはラジオの野球や相撲中継を聴きながら選手や力士の名前を漢字で覚えることをたのしんでいた。学校で教わる漢字は基本的には大事なことではあるが、当時興味のある選手や力士の名前は画数が多くても新聞のスポーツ欄でおぼえたものだ。
ボクが経験した「はやく席にもどって」の授業を「ゆっくり色の変化をたのしもう」という時間にしようと思った。
「白と赤をパレットに並べよう」と呼びかける。子どもたちは、この組み合わせでピンク色になることはすでに知っている。「白と赤」ときいても、ほとんどの子は、先ず赤のチューブのフタを開けてパレットに押し出す。つぎは白。だまってみていると赤の中へ白をまぜる。少しずつまぜるが、なかなかピンクにはならない。そこで「どうしたものか」といっしょになって考えてやる。白の中へほんの少し赤を入れれば、たちまちピンク色があらわれることに気づかせる。
濃い色と薄い色のちがいを発見させる。
白から少しずつピンクへそして赤という変化を画用紙に描いて色の変化の一らん表をつくる。つぎは白からグレーへそして黒へ。
子どもたちは色のちがいを見つめながらピンクやグレーにいろんな段階があることに気づく。赤、青、黄、白、黒、茶の六色の入ったえのぐセットから茶をぬきとり当分ボクがあずかることになった。
「こんどは白から青にちょうせんするよ」「わたしは白から黄」それぞれが試してみたい色から入り「カラーチャート」づくりがはじまった。
喜田川 昌之